――まず、御社の創設期について、「DOさん」という主婦の口コミネットワークが基盤となっているそうですが。
当社の設立は1980年のことですが、事業のベースは「DOさん」という主婦ネットワークを核としていました。
モデルとして簡単にお話しすると、まず、クライアントがいて、我々がいて、「DOさん」がいる。その、「DOさん」という人を媒介にして、ひとつは口コミでのプロモーションを、もうひとつは『定性情報』とういう、いわゆる言葉データ。こういったものを使ったリサーチを提供してきました。
――「人の言葉」をつかった、マーケティングリサーチといったところでしょうか?
そうですね。大枠で言うと、マスメディア一本槍のマーケティングもあるということへの問題意識と、マスメディアではなく、「口コミだ」というテーマ、とでも言いましょうか。
リサーチにしても、アンケートなどに代表される定量データだけでは、マーケティングはできないだろうという発想です。むしろ、生活者の日々の表情・言葉、そんなものを使って、主に新商品開発のお手伝いをしようと。それが、ずっとベースになっていますね。
クライアントである企業を主語に言うと、従来は「発信型」だったものを、当社の提案では「受信型」のマーケティングに変えましょうという発想です。
――当初はインターネットのない時代でしたが、ネットワークの構築はその後どのような経緯で導入されましたか?
当初はもちろん、ネットの存在しない時代でしたが、数年後にはメールの使えるネットワークが誕生しました。その後、自社で通信サーバーを立てたりもしましたが、パソコン通信が誕生し@niftyを利用し、現在はインターネットでのネットワークになっています。そもそも、当社の発想は常に「人のネットワーク」ですから、「人と人のネットワーク」がパソコン通信、インターネットによって繋がっているという考え方です。
■株式会社ドゥ・ハウスホームページ■
――「人と人のネットワーク」であることのメリットはどこにあるのでしょう?
簡単に言うと、我々は100万bit持っている。こうやって会話をしながら、100万bitをパラレルに活用し、表情を見たり温度を感じながら会話するわけですよね。ですが、インターネットは所詮32bitですから。32bitでいったい何ができるんだろうと。せめて、100万bitと100万bit、「人と人」を使っていきましょうよ、というスタンスです。
――「DOさん」以降の事業展開についてはいかがでしょう?
ベースの発想はずっと変わっていません。インターネット事業としては、数年前にメールtoメールの「iMiネット」が始まっていまして、その後、C
to C、B to Cの「ひとびと・net」を立ち上げました。「ひとびと・net」が軌道に乗りつつあるというところで、次に単純にマーケティングモニターであるC
to Bの「きかせて・net」を。さらに、全国の優良メルマガ1000人の発行人に依頼してメルマガに5行広告を入れてもらう「めるめる・net」と、今年9月に立ち上げたEC支援の「ec
Help.net」があります。
現在は、これらの新規事業を軌道に乗せていこうというところですね。
―― 一番新しい事業、「ecHelp.net」は、ECサイト支援とのことですが、具体的にはどのような事業になりますか?
仮に、どこかに出店している企業があったとして、我々はその販売支援を行います。たいていの場合、出店しているだけでは、商品は売れません。売りたいものを並べて、じっと寝ているだけではお客様も来ませんからね。
では、なぜお客さんが来ないのか、商品が売れないのかと言えば、コミュニケーションをしていないからなのです。情報を発信しているだけでは、決して人は集まってきません。受信型に切り替えてこそ、初めてそういったサイトの意味もあるというものです。
そこで当社では、その商品を売るために必要な、集客・接客のサービスを提供します。要するに「店員さん」の役割といったところでしょうか。
具体的には、出店企業の得意の一品を「ecHelp.net」に出品し、「人」を使った最適なリレーションを取ります。そして、「ecHelp.net」を見た消費者が購入を決めた場合には、出店者の自社サイトへ戻って購入をする、という仕組みです。
――なるほど。ECサイトへのコンサルティングも行うということでしょうか?
――先ほど「発信型から受信型へ」というお話がありましたが、企業の姿勢そのものも、やはり転換の時期を迎えているのでしょうか?
そうですね。今は、「お願いします!」と大声で営業したからといって、商品を入れてもらえる時代では、決してないですよね。従ってチャンス発見型というか、提案型というか。営業にも取材能力が問われる時代です。イメージとしての隙があるのを発見し、他社商品をどけて自社商品を潜り込ませるという能力が必要でしょう。
そういった意味では、インターネットのみならず、企業の姿勢そのものを「受信型」へ、また、営業も「売り込みに行く」というよりは「ヒアリング、取材に行く」という形に変えていく必要があります。
――企業体質の改善の時期が、すでに来ているということですね。では、今後のインターネットについて提言がありましたらお願いします。
提言と言うほどのものではないですが・・・。マーケティングに限定して言えば、インターネットは販売革命ではないですし、インターネット広告というものも邪道だと思っています。どうしても、従来の自分の中の尺度というもので、位置づけをしてしまいがちですが、インターネットは「販売チャネル」でも「メディア」でもなく、もっと素敵な、新しい社会装置なのです。これを考えずして、成功はないと思いますよ。
――ありがとうございます。最後になりますが、これから生まれようというベンチャー企業、もしくは、今成長期を迎えているベンチャー企業に、アドバイスがありましたらお願いします。
「小さな失敗は急いでやろう」ということですね。
大企業の短所は意志決定の遅さにあります。それが、インターネットの普及によって、現在、顕著に現れているんですね。例えば、大きなインターネット事業を興そうという。大企業ですから発想はいいですし、動かす財力もありますが、意志決定が遅い。小さな失敗を心配して、ああでもない、こうでもないと話し合っているうちに、いざ、やろうということになると、すでにその分野にチャレンジしている若い企業があったりするのです。これは、当然のことです。
ですから、小さな失敗を恐れず、失敗したら、また別の事業へシフトしていけば良いのですから、急いで、勢いを持って望んで欲しいと思いますね。
| 株式会社ドゥ・ハウス 会社概要 |
| 会社名 |
株式会社ドゥ・ハウス |
| 資本金 |
東京 : 30,000万円
大阪 : 4000万円 |
| 代表取締役社長 |
稲垣 佳伸(いながき よしのぶ) |
| 事業内容 |
マーケティングフィールド(生活者フィールドと流通フィールド)に対して「クチコミプロモーション
」「定性情報リサーチ」の2つのアプローチでのマーケティングサービス |
| 会社設立 |
1980年7月 株式会社ドゥ・ハウス設立
1988年6月 大阪事業部新設 |
| 事業所 |
【東京本社】
東京都港区新橋6-20-2 新橋SIビル
【分室】
東京都港区新橋5-14-6 双葉ビル【大阪】
大阪市西区靭本町1丁目10番24号 N&Dライフビル
株式会社エルネット ドゥ・ハウス事業部
代表取締役:鈴木完次郎 |
| URL |
http://www.dohouse.co.jp/ |
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