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講演録(勉強会)

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DeNAの事業展開について
この講演録は、2004年4月15日 第8回東京支部勉強会の内容を編集記録したものです。

株式会社 ディー・エヌ・エー 代表取締役CEO  南場 智子 氏    
     
     
※注:文中の表現・数字などはすべて勉強会当日時点のものです。    
     
     
DeNAの7つの事業
ビッターズの成長の軌跡
ビッターズショッピング
ビッターズのECプラットフォーム
リサイクル総合情報サービス「おいくら」
「おいくら」登録済みショップ地方分布
質疑応答

 私は以前、マッキンゼーという会社におり、ジェネラルコンサルタントという、経営・戦略・組織・利益改善・オペレーションと何から何までやらなければいけない立場にいました。ほかのコンサルティング会社もそうだと思いますが、マッキンゼーも得意な領域、お客様ができてきます。私の場合、最後の3年ぐらいはインターネット・デジタルテレビ・携帯電話など新しいメディアを用いて、オールドエコノミーの会社が新規事業をやることをお手伝いする仕事がたくさんありました。そうするうちに、自分でもやりたくなって会社を始めました。

 94年ぐらいからインターネット上のコミュニティの研究もし、強い仮説を持っていました。自分でインターネット上のコミュニティをつくってみたい、自分自身がショッピング、オークションが大変好きなので、自分が好きなことをやりたいと思ってビッダーズを始めました。正直言って、「始めてしまった」というところが多いですね。いったん始めてしまうと、ヤフーさんとか、楽天さんとか、非常に強いプレーヤーがおられる中で七転八倒し、いまだに苦労をしている状況です。

 会社が立ち上がったのが1999年、サービスを開始したのが1999年末でした。そのときは開発の大失敗という大変恥ずかしい失態をしました。まずはオークションから始めようと思っていたのですが、オークションといっても出品ができない、すなわち入札しかできないオークションサイトでした。それは開発の大失敗が原因で、機能を大幅に絞り込む以外に99年内にサービス開始の可能性がないということで、出品機能を諦めて何とか99年内にサービスを開始しました。

 入札しかできないとなると大変です。当たり前ですけれど、ウェブで出品できないから私たちが全部出品をしなければいけないのです。データベースに直書きをしなければいけないという状況で、出品の弾込めをするのに死にそうな状況に加えて、15分に1回ぐらいシステムダウンしていました。全社員で「いっせーのせい」で入札をする、非常に原始的なテストをしておりまして、当時の全社員6人が「いっせーのせい」で入札して、私も参加すると、ダウンしてしまいました。それやこれやで大変な中、企業の皆様によるトラフィック協力、私に対する経営指導、そういったものがいろいろありまして、ようやく初めて昨年度、通期で1カ月も赤字の月を出さずにすみました。一昨年、2002年下期から黒字でしたが、通期では2003年度初めて黒字になったという状況です。

 ゼロから会社を立ち上げますと、まず月次で初めて黒字が出たとき、これは涙が出そうにうれしかったです。やはり赤字と黒字は天と地ほど違いまして、それまではご出資いただいたお金を減らして生きていくしかないという、自分の給料も自分で稼げないような状況です。そういう苦しみの後、従業員に給料を払ったあとでも黒字が出たのは本当にうれしく、それが何とか16カ月ぐらい続いて、財務的にはなかなかよい状況になっています。


DeNAの7つの事業 現在、ディー・エヌ・エーでは7つの事業をやっています。私たちの事業の中ではビッダーズが一番有名かもしれません。「ビッダーズオークション」、これはヤフーがダントツ1位の中でかなり距離がある二番手で、三番手が楽天フリマさんでしょうか。2つ目がビッダーズショッピング、これは今のところ楽天さんのモールに似ているビジネスです。

 「ビッダーズECプラットフォーム」は、例えばMSNさん、エキサイトさんにオークションのプラットフォームを提供しているビジネスです。ヤフーさん、楽天さんを除く40以上のポータルさん、100万加入以上のプロバイダーさんは、当社のオークションプラットフォームを採用してくださっています。

 4つ目はリサイクル総合情報サービス「おいくら」の展開です。小ぶりですが、おもしろいサービスです。それから、メディア広告事業、それぞれのサイトに広告を入れさせていただく事業です。また、モバイルの事業を開始いたしました。これは事業というより、まだサービスですね。収益モデルにはなっていませんので、サービスを投入した段階です。最後にECソリューション事業です。

ビッターズの成長の軌跡  「ビッダーズ成長の軌跡」のスライドをご覧ください。今、会員数が234万人です。左側のグラフが会員数での伸びでして、だいたい1日2,000人ぐらい入会しています。

 インターネット視聴率調査の数字だけではわからないのですが、MSNオークション、オークションエキサイト、So-net等は別サーバを立てていますので、当社で運営をしているものすべてを合わせますと、1日のページビューが1,000万強になります。月間のユニークユーザーは400万人、出品数は114万です。1年半ぐらい前に出品数100万を目指しますと言って頑張ったものの、しばらく70万、80万ぐらいで止まっていました。そこでどうしようかなと考えました。

 このまま増やそうと思えば増やせますが、問題はシステムの負荷です。出品数とアクセス数がデータベースのCPUの負荷に一番効いてきます。例えば出品数を上げようと思えば、何万点出費したいというショップさんに「どうぞ、どうぞ」と言ったり、オークションの再出品のデフォルト回数を長くすると、出品数がすごく増えるわけです。そのようにして出品数をある程度コントロールすることは可能ですが、システム投資を抑えるために、出品数は自然な伸びに任せることにしました。

ビッターズショッピング  これだけトラフィックが集まって賑わっているのだから、もったいないからショッピングをやろうということで、オークションの法人ユーザーさんに背中を押されるような形で、ショッピングに参入しました。本気でショッピングを主軸にしてがんばろうと決めたのは2002年12月ですから、ほんの1年半ぐらい前です。1年5カ月ぐらい前に、ショッピングもサイドビジネスではなく我が社の事業の中枢としてしっかりやろうと。それまではとてもショッピングモールと言えないような状況でした。ただ、法人さんからは厚いご支持とご指導をいただき、買い物かごシステムを改良したりショップの表現方法を豊かにして、2002年の年末にビッダーズショッピングと銘打って大幅リニューアルしました。楽天さんにある基本的な機能はだいたい揃っておりますし、楽天さん、ヤフーさんにない機能も一部あります。

 モールのショップ数は2,200店ぐらいです。そのうち900店弱ぐらいは他のモールを買い取って増やした店舗でして、私たちが1店舗1店舗営業をして入っていただいたお店は1,300店ぐらいです。オークションと同様にビッダーズショッピングも活況を呈しておりまして、1店舗あたりの売上、店舗数も順調に伸びています。契約が満期を迎えた後の、ショップさんが再度契約をしてくれる率がおそらく業界の中では一番高く、7割ぐらいの法人さんに継続いただいています。

ビッターズのECプラットフォーム  先ほどオークションとショッピング以外にプラットフォームをやっていると言いましたが、基本的にはビッダーズもプラットフォームに乗っている1つのサービスに過ぎません。私たちの事業はオークションやショッピングだけだと捉えられがちですが、事業の本質はプラットフォームの部分で、ここに乗ってくださっている提携パートナーさんが約40社あります。中でも黄緑色の明るい色になっていますのが、ID統合をしているところです。ID統合は、例えばSo-netのコンテンツ会員さんは、So-netのID・パスワードでそのままビッダーズが使えるという形です。MSNさん、エキサイトさん、ベネッセさんは特にデザインもカスタマイズして、そのサイトのカラー、look and feelで提供させていただいております。ただし、真ん中の会場は共通です。

 スライドを見てもわかるように、お客様と商材が共通会場に流し込まれ、データベースは共通ですべて当社が運営させていただいています。ビッダーズという弱小ブランド・弱小資本・弱小トラフィック力で始めた私たちとしてはこういう戦略をとるしかなかったのですが、おかげさまで他の有名サイトの方々に使っていただき、お客様を共有する形で、規模の経済を実現しました。

 オークションシステム開発で失敗はするし、すごい勢いでヤフーさんが伸びていらっしゃるし、私たちは事業を始めてすぐにこのままではだめだと思い、方向転換をしてこの形をとりました。プラットフォームはトラフィックを拡大する仕組みになっているだけではなく、事業として展開しています。

リサイクル総合情報サービス(おいくら)  リサイクル総合情報サービス「おいくら」は、リサイクルショップのディレクトリです。ご自宅の近くのリサイクルショップに、自分の家で不用になったものを見積もってもらうサービスです。例えばテレビは新しいものを買い換えると、古いのが不要になります。エアコンなどもそうですが、これをオークションに出そうとすると気絶しそうになるくらい大変ですね。取り外し、梱包を考えただけで「勘弁してくれ」となりますから、リサイクルショップに買い取ってもらうと気が楽です。

 例えばテレビが1台不要になったら、このサイトにアクセスしてください。それで「テレビ」という画面を呼び出すと、テレビについて重要項目を聞いてきます。例えば、「メーカーはどこですか、いつ買ったのですか、何インチですか」。意外とテレビの査定に重要なのは、「リモコンはなくしていませんか、作動しますか、BSチューナーは付いていますか」ということを聞いてきます。それにひらがなで答えて、ボタンを1回押しますと、自分の家の近くのリサイクルショップにメールかファックスで「こんな出物があるけれど、お宅だったらだいたいいくらで買う?」ということを聞いてきます。リサイクルショップはそれぞれ「うちはだいたい1,000〜1,500円かな」とか、「うちは、それはだめ。ゼロ」とか「うちはそれを欲しい人がいるから、2,000円から4,000円のあいだ」とか、ひらがなで答えていただきます。

 このサービスでは成約手数料の収益モデルはなかなか難しいと思いますので、月額課金でやらせていただいています。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった四大家電の中の3つが物量としては昨年1年間でベスト3でした。

 中には宝石やアクセサリーなどもあります。質屋さんにいきなりは入りにくいけれど、「おいくら」でアクセスをして、それから持っていくと、ちょっと入りやすいということをうかがいます。また、指輪とか、いただきものをオークションに出すと衆目にさらされます。別れた男の人からもらったものを一切合財出したのを別れた男に見られて「こんなものを金に換えるのか、ばかやろう」とか言われるのは嫌とか、いろいろあるみたいです。いや別れたときだけではないですよ(笑)。結婚したときにベッドが1ついらなくなるとか、冷蔵庫も1個でよくなるといって「おいくら」を使ってくださる方もいます。「別れてもくっついても『おいくら』」という形で喜んでいただいています。

登録済みショップ地方分布  全国で3,000店のショップさんが「おいくら」ネットワークに加盟してくださっている点が何といってもミソです。ご自宅の近くにリサイクルショップがないと、このサービスは成り立たないのです。ですから、私たちはいろいろ計算しまして、全国で2,000は必要だなと、2,000を集められるかどうかということ、そこが一番大変でした。このサービスは2002年2月15日に始めましたが、営業開始の指示を私が出したのが2002年1月5日です。ですから、1カ月と10日で2,000集まるかどうかというところで、しかも入社したての者に、とにかく可能な限り安く、しかも絶対に合法的に2,000店舗を集めてくれと。けっこう社長って楽ですよね。それを言うだけですから(笑)。言われたほうが、「どうしよう」みたいな感じで。

 まず、リサイクルショップとか質屋さんは日本に5、6万あるのですが、そのリストをどうやって無料で合法的に手に入れるのかということを、彼は考えたわけです。それで、無料で合法的に手に入れて、さすがに訪問はできないから電話をしようと。電話を自分でかけていたら死ぬなということで、テレマ会社を20社ぐらい、いろいろな基準で評価して3つぐらいに絞り込んで、あとは25歳の彼が「社長さんの顔を見て、信頼できるかどうかで決める」と社長さんの顔を見に行って、それで最終的に彼が決めたところに頼みました。

 しかも電話の文言を3パターン用意して、それで一番獲得率がいいのを基準にして、それをもとにまたバリエーションをつくって、また獲得率を見て、また一番いいのを基準にして。何しろ1カ月と10日しかないものですから、彼はテレマ会社に任せずに、文言の練り直しから、何から全部やりました。それで何と3,000という数が集まりました。本当にその彼はよくやったと思います。ビジネスモデルを考えるところは誰でも思いつくことだし、詳細を詰めることに関しても、もともとコンサルタントだった私もその辺は苦手ではないので、するするとやってしまうのだけれど、この辺は自分がやれと言われたら固まっただろうと思います。

 「おいくら」のサービスも本当によく利用していただいています。何よりもうれしいのは、お客様から毎日、喜びの声が届くことです。「質屋さんってとても入りにくかったのだけれど、『おいくら』で見積りが返ってきて、電話をしてから行くと入りやすかった」とか。あるいは「オークションで売るのも面倒くさいし、家電を処分するとお金が必要なのに、ほんの800円だけれどお金をもらえたし、家まで取りに来てくれたのがうれしい」とかですね。あるいは先ほどのように、「いなくなった彼のことを一切合切忘れました」というようなメールもいただいたりして(笑)、とてもいいサービスです。

 スライドにはないのですが、モバイルの強化もやっています。一番乗りの参入ではありませんが、今、モバイルコマースは群雄割拠の時代で、ここが群を抜いて強いところはないのです。そういうところに私たちが参入するからには、one of themになりたくないねということで、先般インデックスさんの出資を受けて、モバイルECを共同でやっていこうと始めました。

 インデックスさんのカルチャーとわが社のカルチャーは相当違います。私たちはとても大きなシステムを持っていますから、慎重にならざるを得ないのですが、インデックスさんのモバイル領域のフットワークはすばらしいですね。ポコポコとサービスを生み出して。もともとコンサルタントが多い我が社は、どちらかというと十分に検討をし、仮説を立て、検証をするわけです。ですが、「大丈夫だと思ったらやりましょう」みたいなことではだめですね。何しろ机上で検討をしたとおりに世の中が動いたためしがないわけです。あまり検討をするのは時間のむだで、そんなことを言っている暇があったらサービスをつくって、出してしまおうと。それで受け入れられたら続ければいいし、だめだったらやめればいいということで、多少おっちょこちょいをやってもいいので、モバイルの世界ではもう少しタイムリーに、小ぶりでもいいからサービスをどんどん投入したいと思います。

 私たちが金なし、ブランドなし、トラフィックなしと、何もない中からまがりになりにも黒字までやって来て、その過程でできる限りのことは全部やってきたという自負があります。その辺で培われたスキル、ノウハウを大企業に提供して、大企業がEコマースや、ウェブや、モバイルでの販売拡大をするときに生かしていただければということで、コンサルティングのような事業を始めました。本当はソリューション事業と銘打ってやるつもりはなく、趣味のようなものでやっていましたが、とてもよい成果が出ていますので、事業としてやってみようと思っています。

 去年の10月から、とある大手リテール企業にコンサルティングをして、ネットでの売上が4カ月で2.3倍に上がりました。ネット部門に12人もいてがんばっていたところですが、私たちが入らせていただいて、まずコストをドーンと下げました。初期投資が5億円かかったのを500万円にして、ランニングが月額600万円かかっていたのを100万円にして、12人でやっていたのを7人にして。それで売上を2.3倍に上げて、クライアントさんにも大変喜んでくださっていただきました。これは本格的に事業にしてみようということで、今、2件目、3件目をやっています。

 私はもともとコンサルタントでしたが、実業の経験がないまま偉そうなことを言っていると、かなり図々しい性格であったにも関わらず違和感が出てきました。もちろん「コンサルティングは虚業ではない」と言ってはいましたが、実際に事業を始めてみると「言うは易し、しかしながら」ということが多過ぎました。あるいは分析していたり、予測していたりすることと全然違うことがどんどん新しい要素として出てくるので、立ち止まって分析をしたり、調査をしたりした結果がほとんど当たらなかったり。実業をしてみると、本当に虚業ではないと言えるのか、と感じていました。

 今回、再びコンサルティングをやり始めたわけですが、私たちが実業をやって、無から有を生み出して、日々死ぬほど考えて、苦しんでいるところから得られたものをできるだけ多くの方々にシェアさせていただき、実際に効果を上げるコンサルティングはコンサルティング専業とはずいぶん違うのではないか、と実感しています。今は何の迷いもなく、気持ちよくコンサルティングもやっています。

 ネット上のコミュニティについて一番大事なことは、営利目的であることだと思っています。マッキンゼー時代の、ネットコミュニティ研究プロジェクトでも、営利目的のコミュニティリーダーが存在するところと、しないところは全然違うと思っていましたし、今もその考えはあまり変わりません。地域のサイトを立ち上げようという方々にも、何か儲かる仕組みを入れないと絶対だめだよ、ということは申しあげています。実業をしてみて、この仮説にも少し自信がついたと思ったりするところがあります。

 私が用意していた話は以上です。何か、ご質問なり、ご意見なり、アドバイス、叱咤、何でもけっこうですので、お言葉をいただければと思います。



○司会. どうもありがとうございました。基本的にこの勉強会は双方向で進めていこうと思いますので、どんどん質問していただきたいと思います。
■質疑応答
Q.

 ディー・エヌ・エー様の比較的最近のリリースで、「たのみこむ」と提携してサービスをやりますというのが、注意を引きました。

 もともと南場社長はかなりネットコミュニティに関心が高く、関心が高すぎるので、あえてビジネスではやらないのだということを某所で読んだことがあります。「たのみこむ」はこういう製品が欲しいという人たちが集まって、その声を企業に届けたいというところを実現する、一種のコミュニティの性格もあると思います。一方、ビッダーズは売りたい人と買いたい人をつなぐ場です。

 記事を読んで、自分たちが物を持っていてやりとりしたい場合にはビッダーズのプラットフォームを使い、自分たちの欲しいものがないからつくって欲しいという場合には「たのみこむ」を使うという形で、共同してコミュニティに複数のプラットフォーム機能を提供していくことを狙っているのではないか、と深読みをしたわけです。そのあたりについて実際にどうお考えだったのかということをお伺いしたいのですが。

A.  234万会員の中にはネット上で売買をするうちに、ネット上でアクションを起こしたり、コミュニケーションをとったり、発言をしたりということがやりたくてたまらなくなる人間が多いのですね。

 ですから、そういう人たちに参加いただいて、商品化をやってみようじゃないのと。そうすれば自分たちで考えたものがシームレスにこのプラットフォームで売買できると。オークションやショッピングや、売買ができるようになるのはきわめて自然な流れですので、ぜひやってみようよということで、トライアルでやってみました。私は前職時代に「ユーザーの声を聞きすぎると、ろくな商品ができない」と思っていましたし、今でもそう思っていますので、こうやってつくりあげた商品はよほど強力な解釈者というのでしょうか、インタープリターがいないと難しい、と思っています。今回はそういう強力な解釈をするオーガナイザーというか、インタープリターがそこまで用意できていないにしては盛り上がりました。

 勝負日の腹巻きという、彼氏に見られても恥ずかしくない腹巻きみたいなもので、コンテンツとしてはおもしろく、みんなが盛り上がりまして、なかなかよかったです。いい商品ができたかどうかというと、それなりに売れたと思いますけれど、スーパー大ヒットというか、ビッダーズから生まれた勝負日腹巻きがスーパーヒットとはなっていません。ただ、おもしろい取り組みだと思うので、ビッダーズと「たのみこむ」が一緒になって、ビッダーズのユーザーが商品を考案して、それをビッダーズで買おうよという動きになればと思います。
   
Q.  ユーザーが欲しいと言っているものをそのまま商品にするとダメだというのは、まったくご指摘のとおりだと思われます。しかし、ネットコミュニティのシステムを使ってユーザーコミュニティ的なものを形成し、2〜3カ月間グループインタビュー形式のコミュニケーションを行った事例を、某社から伺ったことがあります。

 担当責任者がおっしゃるには、コミュニケーションの一番よかった点は、会社の人がユーザー意識を持ってきたことだと。もう少しわかりやすく言いますと、これまで企業の中にいたために具体的にイメージできなかったもの、ユーザーがどういうシチュエーションで、こういったサービスなり、製品なりを使っているのだろうかというところをイメージする力、仮説構築力が鍛えられた点が最大の効果であったと。単にユーザーの声を聞くというだけではなく、双方向のコミュニケーションをやっていくこと自体が価値を生み出せるのではないかと考えられますので、そこも含めて、今後プラットフォーム展開を進めていただければと思います。
A.  はい、がんばります。
   
Q.  ネットコミュニティは営利目的であるということをおっしゃられていましたが、ある意味、趣味といいますか、そういう感覚でもコミュニティを成功させることはできると思うのです。ですから、たどりつく目標・目的がビジネスの場合は、営利目的でないとネットコミュニティはうまくいかないという意味なのかなという気がしたのですが。
A.  私が言おうとしたことは、仮にビジネス目的でないとしても、コミュニティを大きくしたいとか、コミュニティをコミュニティメンバーにとってどんどん住みやすく、楽しくしていこうとなると、そのためにはコミュニティオーガナイザーが営利目的であることが非常に重要であるという仮説です。

 もちろんお金以外にも情熱が必要で、情熱があればやっていける場合もあるのですが。ただ、コミュニティオーガナイザーも大きなコミュニティになると、チームでやる必要があり、そのチーム全員が同じような熱意、同じような関心事でやっていくことはなかなか難しいことです。普遍的な原資となるお金がコミュニティオーガナイザーに入り、コミュニティがどんどんよくなる仕組みをつくることは、コミュニティの繁栄や内容の充実、あるいは他と提携をしていろいろなサブコミュニティができるように発展させる、そういった意味でも重要だということです。
   
Q.  今、ソーシャルネットワーキングサービスを進めている企業が多いですが、そういったコミュニティは今後どうなっていくと思われますか。以前そういう集まりに行ったときにも、そこから何か収益を上げようというイメージは持っていなくて、とりあえず流行りなのでやりましたという企業が多かったのです。そういうところが大きくなる可能性はあると思われますか。
A.  そうですね。すごい勢いで広がっている無料のものもありますし、2ちゃんねるも当初はまったくビジネスモデルが成り立っていない、誰も儲けていない、ひろゆき君という変わった若者が、彼と彼の仲間の考えでやっていったものでした。ですから、それをまったく否定することはありません。ただ、2ちゃんねるの運営者も今、営利目的になろうとしているように見受けられます。会社もつくって、広告も入れてという形になっているのではないでしょうか。それでおもしろくなくなるという恐れもあるのですが、結局はある規模以上とか、ある程度以上の手間がかかることになると、普通の人はそうしないとやっていけないですよね。
   
Q.  大手流通企業へのコンサルティング事例では、かなりの合理化と売上増になったと思うのですが、その報酬はどのように決めておられるのですか。
A.  報酬は、基本的にはきちんと対価ということで、コンサルティングフィーをいただきます。フィーのいただき方は固定費でいただく場合と、固定費プラス増収分に応じた成功を分かち合う形のフィーをいただくこともあります。
   
Q.  コンサル専業とは違うということで、かなりクライアントの評価も違ったのではないかと思うのですが。評価の違いといいますか、どういうところをクライアントが気に入られて採用になったのでしょうか。
A.  コンサルティングを全く否定しているクライアントではないのですが、一番喜んでいただけたのは成果が出たということです。コンサルティング会社にもよりますが、ジェネラルコンサルタントという、何でもテーマを取り扱いますというコンサルタントは正直、例えばCIのプロジェクトが取れた後、コンサルティングの第1日目にCIの本を呼んで勉強をするところが、実はあります。

 私はある家電メーカーの製造コスト削減というプロジェクトに入ったことがあるのですが、そこは部品のつくり方から勉強しましたし。そういう意味で言うと、お客様にキャッチアップをするのに多大な労力を使います。ただ、私たちは、ビッダーズを本当に苦しみながら大きくしてきたのと、ショッピングモールのたくさんの法人さんの拡販・プロモーションのお手伝いをして、何が効果があって何が効果がないか随分わかっていますので、ウェブで販売拡大するノウハウについては絶対的に自信があります。

 もう1つは、ビッダーズで提供できるものであればすぐに提供できることです。ビッダーズというメディアも使うことができます。ほかの媒体の力量も相当調べていますので、ビッダーズに固執することはなく他の媒体を使ったマーケティングプランなどもできます。ですから、考え方とかフレームワークではなくてとにかく実行論だと。効果がある施策を実行しましょうということをやって、その半分以上が私たちの手で、自ら発注もできますので、すごく効果が出やすいということだと思います。
   
Q.  最近、ブログなども流行っていますが、どういったコミュニティサービスであればオークションサイトと親和性があると思われますか。
A.  私がこだわっていることは2つしかなくて、できれば売買、売り手と買い手をもっとストレスなく結びつけることを会社のライフテーマにしてやりたいと思っています。もう1つは、リサイクル・リユースを促進し、循環型社会の構築に少しでも貢献できればということです。この二つのどちらかを満たしていれば、それは私たちの事業の範囲内だよねという気持ちでいます。ですから、コミュニティ、ブログというのも全然考えないわけではなく、それが売買というものを促進するような側面があれば、親和性はあると思っています。
   
Q.  コンサルタントとしてのお仕事が実業といろいろ違う点はお話しいただいたのですが、逆にコンサルタントとしての経験が役に立ったところはどういうことでしょうか。例えば、人脈が役に立ったとか、あるいはビジネスモデルをつくるスキルが役に立ったとか、そういうことがあるかと思うのですが、どういう点が一番役に立ったかということをお聞きしたいのと、もう1つは実際にビジネスをやられている場合と、コンサルティングをやられている場合、仕事の喜びというか、やりがいはどのように違うものでしょうか。基本的にお客さんに喜んでいただくことは同じような感じもするのですが。
A.  コンサルティングをやっていてプラスなのか、マイナスなのかわかりませんが、自分が持っている強みはロジカルな問題解決能力しかないのです。会社のトップにはいろいろな方がいらっしゃいますが、特に創業社長さんの多くは非常に金の匂いに敏感だったり、すごい嗅覚があったり、あるいはとんでもないビジョナリーだったり、そういう人がおそらく創業社長さんの典型的なパターンで、しかも大きくなられる方だと思うのですね。

 私はなかなかそういうものが身に付いてないというか、天賦のものがありませんが、ただ論理的な問題解決能力に関しては、相当な訓練を受けているので、そこに関しては質もスピードも誰にも負けない自信があります。それがプラスになったかマイナスになったかというと、論理的に考えても、偶然で事業が変わっていったり、環境が変わっていったりすることがあり、理屈よりも偶然だな、運だなと思うことがすごく多いのです。ですから、いい能力かもしれませんが、あまり論理的で、理屈をこねる人は社長っぽくないこともあり、どうかなという感じです。

  正直言って、コンサルタント出身の人がよい経営者かというと、あまりそうは思いません。たしかにコンサルタント出身で、企業再生などで成功していらっしゃる方や、超巨大化した会社の社長になられた方はいらっしゃるけれども、ビジョンで人をひきつけることが必要なベンチャーの社長はなかなか難しいものがあります。そういう意味で、私もこれでいいのかなと。皆さんも見ていて「この人、どうよ」という感じがしますでしょう?(笑)もっと堂々としゃべるような人が社長のほうがいいじゃないですか。自分でも「うーん?」と思うことはありますけれども、自分で始めたことですから、きちんとやろうというところです。

 仕事の喜びについては、利益が出たときは涙が出るほどうれしかったと言いましたが、実を言うと、会社を始めてから今日にいたるまで、空がぱっと青く晴れたことなんて一日もないのです。マッキンゼーのときは、プロジェクトが終わって、社長に「南場さん、よくやってくれたねえ。次のプロジェクトも頼むよ」なんて言われたその日は、ぱあっと空が晴れて、もう本当にスキップして歩きたいぐらいになるのですね。それで次のプロジェクトもまたがんばる。そのあと、その会社がそのとおりにやって失敗することもあるし、あるいはそのとおりにやろうと思ったけれどできなかったりすることも多いのですが、その入口の手前のところでコンサルタントは喜びを感じてしまうのですね。それはそういう生業(なりわい)ですが、私はこの会社を始めて本当に空が晴れたことは一日もありません。

 というのは、黒字になったといっても、ユーザーが230万人になったといっても、オークションではヤフーにぼろ負けですし、ショッピングでは楽天さんが勝っています。それは、すごく悔しくてたまらないですね。ですから、何か「ああ、よかった、初めて黒字になった」といっても、その瞬間で涙はかわき、とにかくまたどんよりとした、勝ってない、負けているという気持ちがすごく強いです。

 ただ、そうはいっても喜んだことがないかというと、この性格ですから、わりと楽観的で喜びやすい側面もあります。例えば、ショップさんが「ビッダーズに入ったら本当に朗らかに仕事ができるよ」と、モールの懇親会でおっしゃってくださったり。あるいはショップさんが「儲かって、これまで3坪だったのが200坪の店が持てたよ」とかですね、そういう話を聞いたときは、心の底からうれしく感じます。

 あとはやはり、何だかんだと言って、これだけ苦しい思いを一緒にしている社員に対する気持ちはすごくあります。一緒にやっている仲間たちはものすごくいろいろなものを我慢したり、捨てたりして、やってきています。しかも、とても才能とやる気に満ちている。そういう彼らに十分なステージが与えられてないなという、そういうことも悔しくて、悔しくて、たまらなくて。ですから、根本的にぱあっと空が晴れて、万歳ということはなかなかなくて、性格が変わりそうです。
   
Q.  個人の情報発信力を生かしたものがオークションだというお話がありましたが、電子商取引の市場全般において消費者個人の情報発信力が寄与している比率、つまりショップがお店を開けてお客さんが来るモデルではなく、オークションやアフィリエイトなど、個人の情報発信が寄与している商取引の比率は今これぐらいで、今後どうなっていくだろうなというところを、感覚的なところでいいのですからコメントいただきたいのですが。
A.  比率についての感覚はありませんが、大きなトレンドとしてはブログ、アフィリエイトが強力なモデルとして出ています。こちらはまだアメリカほどではないですが、日本でも主流になっていくだろうなという気はいたします。

 ブログって、なかなか馬鹿にしたものでないですよね。あれほど本当にみんなを情報発信に導いたものはなかなかないと思うのです。それとコマースとの結びつきが、アフィリエイトの仕組みによって完全にモデルとして完成するだろうという気はしています。少し前は広告を出そうということでしたが、それからSEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)になって、今度はたぶんアフィリエイトだというフェイズは間違いないですね。
   
Q.  循環型社会にこだわっているというお言葉がありましたが、これは創業のころから思っておられたでしょうか、また、どういった経緯で始められたのでしょうか。
A.  循環型社会というのは最初からあったビジョンではなくて、最初は売り手と買い手をもっともっとストレスなくマッチングさせる、そういう新しい流通構造をつくりたいねと、そんなことだけを会社のビジョンとして掲げていました。オークションの中には中古の流通もあり、リユースを促進することは、実は社会的に非常に大事なことだねという、自分がやっているサービスの社会的意義について意識するようになりました。「おいくら」を立ち上げた2002年に、もう1つの会社のこだわりとして、循環型ということを入れたのが経緯です。
   
Q.  御社の若い社員の方々は、御社に入社されるときにどういうモチベーションというか、きっかけ、理由で入ってこられる場合が多いのでしょうか。例えば、南場社長の人柄にひかれて入ってくるとか。先ほど25歳の新入社員の方の例をお話しされていましたが、やりがいのある仕事が与えられるからということで入ってくる場合が多いのでしょうか。

 もう1つの質問は、これから会社が大きくなってくると、社員のモチベーションをどうやって高めるかということも大切な課題になると思うのです。その辺について現状と将来展望みたいなことをお話しいただければと思うのですが。
A.  けっこう多くの方が当社を受けてくれて、しかもなかなかの人材が来ていますが、どうして若手がディー・エヌ・エーに入ってくのかは、私にも謎です。私がわかっている範囲ですと、仕事が任せられる環境ではないかと思っています。若手の社員が新卒採用セミナーとか中途採用セミナーで、僕は何故ディー・エヌ・エーに入り、ディー・エヌ・エーのどこを気に入っているかという話をするのを聞くと、過去に実証した実力のちょっと上の仕事を与えられ続けることが、楽しくてたまらないということを言っています。もちろん会社に対するコミットメントというか、忠誠心みたいなものの、本音のところは私からはまったくわからないです。仕事に対してすごく誠実なので、会社に対してもそういう気持ちがあるのだろうなと思いますが、おそらく忠誠心といったことよりも、自分が成長することが彼らにとっては楽しいし、時間の使い方として正しいと考えているのだろうな、と思います。

 社員のモチベーションに関しては、私たちも100人の会社になりましたので、以前のように2人や6人でやっているというときとは全然違っています。典型的なベンチャーのようにみんなが寝袋に入って仕事をするような状況ではなくなっています。立ち上げ当初に見られた一時の熱病のような雰囲気を永続しようと思うほうが無理なのだと思います。今では寝袋で寝ている社員はほとんどいません。仮眠室があるので、そこで寝ている社員はときどきいますけれども、熱病のようなものはなくなってきている。もともと人間が熱病のようながんばりを続けられるものかどうかもわかりません。

 ただ、モチベーションは非常に高い会社ですね。非常に高く、がんばってくれているので。それを維持するために工夫していることは、誰も組織の影に入らないよう、何十人という組織よりも、できるだけミッションを明確にして3人とか4人のチームに細分化し、かなりフラットな構造にしています。

 もう1つは、何でもありの人事をしていることです。本当に実力のある人の場合、3年前に入っている10歳年上の先輩を、入って6カ月目の若者がポコンと追い越して上に行ったりすることもあります。

 大企業でこういうイレギュラーな人事は少ないと思うのですが、我が社のような会社は本当に人材の質とやる気しか、強みがないものですから。こいつには、ほとんどプロジェクトを全部任せられるな、という人間が何人いるかで決まるのですね。その人間を増やすためには、そうなる可能性のある人に任せて伸ばすということですね。ですから、そうなる可能性がない、割とこじんまりまとまった大人に任せるのではなくて、まだ荒削りだけれど、若くて、これは相当スーパースターになる可能性がある人がいれば、バーンと上にあげて、プロジェクトを1個任せて。本当に安心して任せられる人間を1人、2人と増やしていくことをしています。

 あとは、なるべく社員と話すようにしています。私と話してどうなるんだという感じはありますが、スモールグループディスカッションとか、いろいろな意思決定にかかわっている若手に全員参加してもらうなど、一応、工夫しています。
   
Q.  コンサルタント時代に日本を代表する大企業をクライアントにして、いろいろコンサルティングをされていたときの経験と、今実際に企業経営をされている経験から見て、日本の大企業の一番改善しなくてはいけないところは何でしょうか。
A.  戦略をトップがまったく考えていない大企業が、実は多いですね。自分の頭で考え、自分でパワーポイントなり、鉛筆でもいいですから、しっかりと考え込んで、例えば「5日間、自分はホテルにこもる。電話もしないでくれ」と言って考えて、それを持って社員に示すというような社長が何人いるでしょうか。大企業の社長にそこまでの情報と知力と胆力がないというところは、すごくあると思います。

 もう1つは、これは私たちのチャンスでもありますが、何をするにも罰がつかない意思決定をします。ですから、先ほど大企業が、私たちが入ることにより5億円の初期投資が500万円でよくなったという話をしましたが、例えばウェブで販売するシステムをつくるときに、大手ベンダーに発注をすれば、万が一何かあったときも、ベンダー選定については怒られないのですね。とんでもない大きなシステムであったり、全然使っていないスペックとか色々ついていたりした結果、費用が2桁違ったりします。

 巨大なシステムを作って、そのあと消費税が内税表示方式になりますといえば、また2,700万円ですとかチャージされて。2,700万円も払うのは大変だなと思っていても、当初5億円投資したから切るわけにはいかないと2,700万円をまた払って、そこのベンダーさんに直してもらいます。

本当に私が社長をしていたら、その意思決定をした人は許しません。5億円という規模の問題ではなく、そんな無責任な決定でむだをした人は絶対に罰点ですが、それがプレステージのある会社に発注したのであれば怒られないというか、罰点がつかない構造がどうしてもあります。そうすると、リスクをとって、自分のロジックと常識で考えて、業界の常識や会社の常識でもない、人間としての自分の常識、頭で考えて、意思決定することがあまりに奨励されないカルチャーになっているところが、すごく残念だと思います。

 例えば本気でIRを勉強したいから、こいつにIRをやらせたいから、すぐにビザをとってアメリカに送ろうとしたりすると、それはいかがなものか、みたいなことを言ってくるのは、やはり大企業から来ている人間です。経験の浅い若手を登用しようとすると、まず全体のバランスからして、ほかにこれをやりたいと言った人が出てきたときにどうするのか、みんなにアメリカへ行くチャンスがないのに、どうしてひとりだけをピックアップして行かせるのか、そういう前例をつくってどうするのかと、そういう話が最初に出てくるのですね。

 我が社に入ったらそういうことをすっかり忘れていただくようにするため、少し骨を折ることがありまして、まだずいぶん大企業と中小企業の差があるのだなと感じます。
   
Q.  せっかくの機会なので、ビッダーズの1ユーザーとして、今思っているところを少しお話しさせていただければと思います。

 私がビッダーズさんに登録したきっかけは、チャリティオークションをされていたからです。私がそこに出品して全部売れたのですが、買ってくださった方皆さんが、「チャリティに出されていたから買いました」とか、「あなたの商品を買うことで私も優しくなれたような気がします」とか、1,000円にもならないような小額のものだったのですが、皆さんがいつも以上に「ありがとう」という言葉を言ってくださって、すごくうれしかったのです。

 それ以来、ずっとビッダーズさんを使っているのですが、ショッピングが好きだからほかにも出しています。しかし他社のブログは最近アフィリエイトばかりで、商売根性が前に出ていて何となく楽しくない印象を受けています。ほかでもチャリティの機会があればどんどん出したいと思っている人は、会社でも、私のような個人でもありますが、なかなかビッダーズさん以外で私はあまり見たことがなくて、もっとあればいいのにと思っています。私もショッピングが好きだからこそ、ショッピングを通して、人に優しくなりたいし、また買ってくれた人も優しくなってくれたら、それに越したことはないなと思っているのですね。

 特にここ数日、不幸なニュースも世界的に出ている中で、何かを通して人に優しくなれるような仕組みを、私は実際に御社を通して優しくなれたと思いますので、企業として提供し続けていただきたいなと思っています。
A.  ありがとうございます。チャリティは私たちが当初から大事にしているコンセプトです。チャリティは難しい面もあって、ちょっとオペレーションを間違うと、偽善が混じってしまうところがあるので、細心の注意を払いながらやっていますが、そういう難しい面があっても、絶対に続けたいと思っているところです。

 どういうチャリティをしているかというと、いろいろなイベントグッズを持ってきたチャリティ、あとはここに出品すると、この代金の何パーセント、あるいは企画によって違うのですが全額こういうところに寄付されます、ということをやったこともあります。私自身、チャリティを明るい気持ちでやることが1つのテーマでして、明るく、かっこよく社会貢献をやりたいよねと。あまり湿っぽくならずにですね。そうすることによって、10代、20代の人たちも「チャリティってかっこいいじゃん、やろうよ。世の中のためになること、何かやろうよ」という気持ちになってくれればと思っています。今年もチャリティのイベントでおもしろいものをいくつか企画しています。

 それから、社員やお客様からの非常に強い要望として、チャリティコーナーで物の代わりにグッズを提供する。それをお金に換えるところとして、ビッダーズを使う。お金はドカンと出せないけれど、いらないものはたくさんあって、1,000円でも、2,000円でもいい、100円でもいいから、それをお金に換えて寄付したいのだということができるようなコーナーを常設できるようになりたいという話が、今、出ています。

 今おうかがいしたようなお話は本当にビデオに撮って社員に聞かせたいなと思いました。私たちはビデオレターの仕組みを設けています。法人さんやユーザーさんから、ビッダーズはこんなところがいいよ、あるいはこういうところが嫌だよというのを、直接言ってもらう機会に社員が全員参加できればいいのですが、システムの人間など席を外せないこともあります。ですので全社員が集まる会合のときに、お客様の声として、ビデオで撮らせていただいたものを、みんなで聞くということをやっています。そんなところで今のご意見を聞かせたいなと思った次第です。どうもありがとうございました。
   
○司会 では、時間になりましたので、これで終わりたいと思います。きょうはほんとうにありがとうございました。
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